合同会社ほか法人設立
合同会社とは、株式会社と同様に出資者の責任は出資額までの有限でありながら、任意組合のように、出資者以外でも定款で定めれば、利益や権限を配分できる会社形態です。
合同会社のメリット・デメリット
メリット
- ●設立に費用が掛からない・・・定款の認証手数料がかからず、株式会社にくらべ、登録免許税が安いなど、設立に費用が掛かりません。
- ●有限責任・・・社員は、出資の範囲内で有限責任を負います。これは株式会社と同じですが、個人事業主と比較してメリットといえます。
- ●株式会社への変更も可能・・・合同会社という形態で独立したが、事業が大きくなって来たので、株式会社に移行したいとなっても10万円程度の費用で株式会社に変更できます。
- ・経営の自由度が高い・・・合同会社では利益の配分を、出資比率に関係なく社員間で自由に決めることができます。また株主総会も必要ないため、迅速かつ簡単に経営上の意思決定が行えます。
- ●節税の選択肢の増加・・・株式会社と同様に、個人事業の時は経費として認められないものも経費として扱うことが出来ます。
デメリット
- ●合同会社の知名度が低い・・・求人をする際に、株式会社よりも、人材が集まりにくい可能性や、取引先によっては、合同会社とは取引しないというところもある可能性もあるなど、合同会社の知名度が低いが故に起きる問題もあります。
- ●社員同士の対立の危険性・・・利益を出資額と無関係に配分できるため、利益配分を巡る対立が起きやすいです。社員が、出資者と役員を兼ねているため、意思決定や業務執行が停止する可能性が高いです。
- ●資金調達の手段が少ない・・・株式を増資して、資金調達するといったことが、合同会社ではできません。
- ●上場はできない・・・株式会社ではないので、上場することができません。
合同会社設立の流れ
1 | 基本事項の決定 |
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2 | 定款の作成 |
3 | 出資の履行 |
4 | 登記申請書類の作成 |
5 | 登記 |
6 | 開業の届出 |
合同会社設立に必要な書類
1 | 定款 | |||
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2 | 定款に基づく社員の互選によって代表社員を定めた時はその互選を証する書面及び就任承諾書 | |||
3 | 出資に係る払込み及び給付があったことを証する書面 | |||
4 | 設立時役員の就任承諾書 | |||
5 | 印鑑証明書 | |||
6 | 株式会社設立登記申請書 | |||
7 | 登録免許税貼付用台紙 | |||
8 | 印鑑届出書 |
◎必要書類 ○必要な場合のみ提出 △省略可能 ▲記載事項に変更のない場合は省略可能
※上記以外にも必要となる書類があります。
合同会社設立に係る費用
登録免許税 | 60,000円 |
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変更手続について
事業目的や本店の所在地の移転、役員の変更などには、定款の変更が必要になります。
定款の変更には、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の同意が必要になります。
有限責任事業組合(LLP)設立
有限責任事業組合(LLP)とは、株式会社や有限会社などと並ぶ新たな事業体です。
- ①構成員全員が有限責任
- ②損益や権限の分配が自由に決めることができるなど内部自治が徹底
- ③構成員課税の適用を受ける
という3つの特徴を兼ね備えています。
有限責任事業組合(LLP)のメリット、デメリット
メリット
- ●有限責任性
- ●内部自治原則
- ●出資者総会不要
- ●監査役不要
- ●重要な財産の処分、または譲受け、および多額の借財、以外に関しては、基本的にLLP契約によって自由に決定できる。
- ●損益分配の割合がLLP契約によって自由に決定できる。
- ●構成員課税
- 構成員課税とは、法人などの所得に課税されるのでは無く、出資者(構成員)に対して課税される課税方法です。法人の所得に課せられる税金が法人税ですので、法人格の無いLLPには法人税は課せられません。つまり、LLP組織本体は税金を取られません。これにより、二重課税を回避することができます。
- ●株式会社に比べ、成立手続が容易かつ低コスト、短期間で設立可能
デメリット
- ●一人は構成出来ない
- ●全員が業務執行に関する意思決定及びこれに基づく業務に関わることが要求されているため、これが満たされなかった場合、任意組合(無限責任)と認定されるおそれがある。
- ●持分を自由に譲渡できない。
有限責任事業組合設立の流れ
1 | LLP契約の要件具備 |
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2 | LLP契約の作成 |
3 | 出資金払込・現物給付 |
4 | LLP契約の登記 |
LLP契約の効力発生要件
- 資者が2以上の個人または法人であること。
- 資の目的は金銭その他の財産に限る。
- それぞれの出資の価額を限度として共同で営利を目的とする事業を営むことを約すること。
- 各当事者によるそれぞれの出資に係る払込み、または給付の全部の履行が完了すること。
有限責任事業組合設立に必要な書類
1 | 有限責任事業組合契約効力発生登記申請書 | |||
---|---|---|---|---|
2 | 組合契約書 | |||
3 | 出資の払い込みを証する書面 | |||
4 | 組合員の印鑑証明書 | |||
5 | 印鑑届出書 | |||
6 | OCR用紙(別紙) |
◎必要書類 ○必要な場合のみ提出 △省略可能 ▲記載事項に変更のない場合は省略可能
※上記以外にも必要となる書類があります。
有限責任事業組合設立に係る費用
登録免許税 | 60.000円 |
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変更手続について
事業目的や本店の所在地の移転、役員の変更などには、定款の変更が必要になります。 定款の変更には、株主総会を開きその決議をした上で、変更の登記をしなければなりません。
ご依頼の流れ
申請内容により必要な書類等が異なりますので、まずは、当事務所まで、お電話にて、ご連絡下さい。
打ち合わせのうえ、期間・費用・その他、お客様へご呈示させて頂きます。
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